あー、こんなに楽しいのはいつ以来だろう。


こんなに問い詰められたら、普通は心の中に本音が溢れて丸聞こえになるはずなのに。

やっぱり君からは何も聞こえてこない。


こんなに静かな人、初めて会った。


「よし、じゃあわかった」

「なにが」

「メグくん。わたしを、生きる理由にしたらいいよ」

「……は?」


ガラス玉のようなその瞳に、わたしが映った。

うん、そうだ。それがいい。


「君にまず生きる理由をひとつあげよう。うーん……そうだな。じゃあ、まずはわたしの興味に付き合ってよ」

「……ねぇ、本気で意味がわかんないんだけど」

「じゃあふたつめは、わたしのその意味を理解してもらおうかな」

「あ、もういい。文句言うだけ無駄な気がしてきた」


はぁーーーっと、メグくんは深い深いため息を吐く。