「行ってきまーす」

「えぇ、行ってらっしゃい」



ねぇお母さん、お父さん。


わたし、好きな人が出来たんだよ。さっちゃんとも、もう仲直りしたんだよ。

他の人とはまだ平行線のままだけど、それでもわたし、もうひとりじゃなくなったんだよ。


いつか言えるだろうか。言えるといいな。

わたし今、楽しいんだよ、って。






「あっ、メグくーん!おーい!」


学校の校門より少し手前。

男友達と喋りながら歩く好きな人の後ろ姿を、わたしは見つけた。


そしてそのまま真っ直ぐ突撃しに行く。



「ちょっと……センパイ、朝っぱらから声大きすぎんだけど」

「ていうかメグくん、男の子の友達いたんだ」

「ねぇ、人の話聞いてる?」


朝からいつもの呆れ顔のメグくんに、ふふっと笑う。


いつも女の子と一緒にいる印象だったから、メグくんが男の子といるなんてなんだか変な感じだ。

ちょっと、嬉しい。