黙って椅子に座るさっちゃんと、そんな彼女に淡々と処置をするメグくんと、そしてそれを見守るわたし。
……うん、ね。
メグくんが言いたいことも大いにわかるんだけど。
だいぶ冷静さを取り戻したわたしにだって、この状況はやっぱりどうすることもできそうになかった。
だってケガさせちゃった彼女を放っておくこともできないし。かといってわたしには怪我の手当ても無理なわけで。
今わたしにできるのは、彼女の心の声を聞かないことくらい。
「……ねぇあんた」
「……え」
「あんただよ。名前、何て言うの?」
「上野、桜……です」
「ふぅん」
沈黙に耐えられなくなったのか、この空気の中でまさかのメグくんが彼女と話し始めた。
こんな時でもやっぱり、メグくんの考えていることは読めないし、聞こえもしない。



