「先ぱぁ~ぃ♪」
と、二人の女の子が彼に声をかけてきた。
義雄「おう! 大沼・増本、来てたの?」
大沼「はい♪ だって先輩たちの練習は必ず見に来ますよ!」
義雄「あぁ、ありがとう」
大沼「さっきの曲、次の昼コンでやるんですか?」
義雄「あぁ、うん♪そのつもりだけど…」
義雄「あ、紹介しとくよ…さっきの曲のヘルプで入ってくれる渡邉さん」
理佐「あ、よろしくお願いします」
大沼「よろしくお願いしま~す♪」
増本「あぁ、はい…」
義雄「で、あそこにいる女の子たちはみんな新しく入った部員ね♪五人でバンド組んだのでまとめて入ってくれたんだ」
義雄「みんな、ちょっと手止めて来てくれるー?」
と、彼の呼びかけに皆が集まった。
義雄「この子たち、一年生の部員ね。大沼と増本…」
義雄「一年はまだ二人しかいないんだよ…」
大沼「よろしくお願いしま~す♪」
増本「お願いします」
義雄「で、こっちが新しく入ってくれた二年の五人ね」
MARRYメンバー「お願いしまーす」
義雄「一年は二人だからまだ活動らしい活動はしてないけど…」
義雄「メンバーは募集中なんだろ?」
大沼「はい、でもなかなか…」
義雄「で、二年の五人はしばらく木曜日にオレたちと合同で練習するから…」
増本「あ、そうなんですか…」
義雄「うん、まぁそんな感じだから…仲良くしてあげてね♪」
大沼「はい♪」
増本「はーぃ…」
義雄「それじゃあと10分したらもう一回やろっか」
メンバー「オッケー」
と、また皆がそれぞれペアになって練習を始めた。
増本「先ぱぁーぃ、キーボードいるなら言ってくれればいいじゃないですかー」
義雄「え?お前ら弾けるの」
増本「いえ」
義雄「え?弾けないの?」
増本「弾けないけど言ってくれれば練習したのに…」
義雄「いや、今から始めても鍵盤はちょっとやそっとじゃダメだろ」
増本「それでも言ってくれればよかったのに…」
義雄「おいおぃ…」
増本「だって先輩あたしたちの気持ち知ってるくせに!」
大沼「ちょっと綺良!」
義雄「え…?」
大沼「すいません…」
大沼「綺良!ダメだよ!……行こう!」
大沼「失礼します…」
と、大沼が増本の手を引いて二人は走って教室を出て行った。
義雄「どうしたんだろ?あの二人…」
ん?
彼…
わかってないのかな?
第八十六話へつづく…