彼がレジへ行っている間、私はさっきのCDを見ていた。
セクシーな女の人がジャケットになっていて演奏している人たちは載ってない。
でも彼がいつも演奏している感じのハードなロックなんだろうなぁ…
今までこう言うのは特に選んで聴いてこなかったけど…
彼がライブでやる曲なんか先に知って聞いておいたほうが絶対にいいに決まってるから…
それにしても…
びっくりしたなぁー
店員さんかと思って振り返ったら彼がいるんだもん!
こんなミラクルってあり?
私の願い…
神様に届いたのかな?♪
CDも貸してくれるって言ったし。
何より初めて喋れたし、
明日会う約束まで!!
私、今たぶん世界で一番幸せなんじゃないかなー♪♪♪
義雄「あ、ごめんお待たせ」
と、彼が戻ってきた。
私は慌てて取り繕い…
理佐「うぅん…」
と、言った。
義雄「あ、他何か見るものあった?」
理佐「あ、今日はもう大丈夫」
義雄「じゃあ……」
義雄「途中まで一緒に帰らない?」
理佐「え!? う、うん♪」
と、言って二人で店を出て自転車を押して歩き始めた。
義雄「渡邉さんてそう言うの聴くの?意外だったなぁ~」
理佐「あ、うん…でも最近かな?」
理佐「ラジオで流れてて、こんなのも聴いてみようかなぁと思って…」
義雄「だってピアノやってるじゃん?」
義雄「だからもっとクラシックとか?そんなの聴くお嬢様なのかなーて思ってたよ」
理佐「え? ピアノ……」
義雄「うん、音楽の授業で弾いてたでしょ?」
義雄「すんごい上手かったもん、忘れようとしても忘れられないよ」
理佐「え~とぉ……」
義雄「あ、オレ西野…西野義雄」
理佐「知ってる♪」
義雄「え、何で知ってるの?」
理佐「だって有名だよ」
理佐「あれだけギター上手かったら」
義雄「え?ホントに? ありがとう」
義雄「でもまだまだだよ!」
理佐「えーあんなに上手いのに?」
理佐「新歓の時とかもすごかったもん」
義雄「え?見てくれてたの?」
理佐「うん、あれから私………あっ…」
義雄「え?どうしたの?」
危なーい!!
私、思わず「好きになっちゃった」て言いそうになっちゃったー!!
理佐「あ、うぅん何でもない」
理佐「じゃあ私こっちだから」
義雄「あ、うん……じゃあ明日の放課後」
理佐「うん、楽しみにしてるね…バイバイ♪」
義雄「うん、気をつけて…」
と、彼に手を振って自転車をこぎだした。
あー、せっかくいい感じだったのにー
いきなり「好き」とか言ったら引かれるにきまってるじゃん!
もぉー私って……
第八話へつづく…