もぉ~、美波どう言うつもりなんだろ…?
この前はそんなに本気だとは思ってなかったけど…
ホントに本気なのかな……?
教室へ入るとまだ先生は来ていなかった。
よかった……
危なく遅刻になっちゃうとこだよ……
由依「おかえりー、どうだった?」
理佐「えー!もう美波わけわかんないよー」
由依「どうしたのー?」
先生「ほーい、始めよっかー?」
と、先生が教室に入ってきた。
生徒A「起立ー!」
理佐「また後で話すね」
そう言って授業が始まり会話は中断された。
授業中も私はその事ばかり考えていた。
確かに彼と同じ部活に入れるのは嬉しいけど…
でも軽音はバンドごとに活動しているし、
同じ場所、同じ時間に一緒に過ごせるわけではない…
だったらそこに入る意味なんてあるのかな?
でも文化祭なんかは一緒に準備したりとかはあるのかな?
うーん……
だいたい同じ部活に入ってうまくいけばいいけど…
もしダメだったら……
そんなの居づらくてしょうがなくない?
それに…
「ただの友達」のままで終わっちゃったり……
えーん
どうしたらいいのー?
と、考えていると…
ポンッ!
と、くしゃくしゃの紙が飛んできた。
あれ?
と、振り返ると斜め後ろの由依がその紙を指差していた。
開けてみると、
「百面相か!?笑」
と、書かれていた。
私もノートの切れ端に書いて由依に投げた。
「美波がバンド作って軽音に入るって!」
それを見た由依は、
「へぇー、そうなんだー」
と、うなづいていた。
そして次に飛んできた紙には、
「面白そうじゃん♪」
と、書かれていた。
まだ由依は自分に火の粉が降りかかっていることに気づいていない…
第五十六話へつづく…