キーンコーンカーンコーン……




先生「はい終了ー!! 答案用紙は前に回してー!」





由依「どうだった?」

理佐「うーん、わかんないかな…」

理佐「英語はまぁいいとして…日本史と保健はあんまり手応えはなかったかなぁ…」

由依「あたしもー!何かヤマはってたとこは半分ぐらいしか出てなかったよね?」

理佐「うん……みんな大丈夫かな?」

由依「まぁ玉砕してなきゃいいけど…」

理佐「成績維持しないと部活も続けられないもんね」

由依「そうだよね……」

由依「まぁとりあえず今日は帰ろうか」

理佐「そうだね」




そして二人で教室を出て廊下を歩いていると…




「理佐ぁー!」

と、呼ぶ声がして振り向くと美波がこちらへ走ってきていた。

そしてその後ろを彼が追いかけるように走っていた。




美波「もう帰るの?」

理佐「うん、そのつもりだったけど…」

義雄「今日は勉強していかないの?」

理佐「あ、うん……お昼までに終わるからお弁当も持ってきてないし…」

美波「明日は音楽の試験あるからさ、理佐先生に教えてもらおうと思ってたんだけど…」

理佐「え……そうなの……?」


美波「音楽はこの三人だけだよね?」

理佐「うん、そうだよね」

美波「じゃあ理佐ん家でしようよ!」

理佐「えーー!!」

義雄「え……」

理佐「ダメだよぉー!散らかってるからぁー」

と、言ったが彼が部屋に来るなんて予想もしてなかったので咄嗟に拒否してしまった。




義雄「あ……じゃあさミスド行こうよ!オレらたまに徹夜する時あそこで勉強してるんだよ」


美波「え!? ミスド? 行きたーぃ♪」

理佐「え、でも…」


と、言いかけると…


義雄「オレおごるからさ、行こうよ」

と、彼が言うと美波が私の手をとり…

美波「ほら!さらっちゃえ!!」

と、言って走り出した。



私は美波に引っ張られ走って付いて行かされた。




義雄「小林さん、ごめん渡邉さん借りるね」

と、彼も後を追って走って付いてきた。


由依「はぁーい、行ってらっしゃーい」

と、由依は手を振って見送っていた。




そして正門まで走って出るともう雨も止んでいて雲の切れ間から太陽が顔を覗かせていた。


義雄「あ、ごめん…オレチャリ取ってくるわ」

と、言って自転車置き場の方へ走っていった。








第百七十三話へつづく…