私は教室にカバンを取りに行き、急いで音楽室へ向かった。


音楽室へ行くともう美波はいつもの席に座っていた。



美波「お、理佐セーフだったね」

理佐「うん、西野くんはまだ?」

美波「うん、来てないね」


すると授業開始のチャイムが鳴り間もなく先生が入ってきた。


高嶋先生「はーい、授業始めるぞー」

生徒A「起ー立、礼、着ー席」


高嶋先生「今日は……期末試験直前だから自習にしまーす!各自好きな教科勉強していいぞー」

生徒B「先生太っ腹ー!」


美波「よしおくんまた遅刻かな?」

理佐「うん……来るのかな?」


と、話しているとまた教室の引き戸がゆっくりと開き始めた。


先生も気がつき扉の後ろで隠れて待っていた。


すると彼がまた忍び腰でゆっくりと入ってきた。


高嶋先生「まーた遅刻かー!!」

義雄「うおっっ!!何で先生そんなとこにいるの!!?」

高嶋先生「今日は自習だ!!早く席に着け!!」

義雄「なんだ、なら堂々と入ってくりゃよかった」

高嶋先生「バカッ!遅刻は遅刻だ!!」

生徒たち「ハハハハハー!!」


理佐「もぉー!何してるの!?」

義雄「アハハ、ラーメン食いに行ってたら並んでて遅くなっちゃったよ」

美波「暑いのにラーメン食べてたの?」

義雄「うん、それに急いで戻ってきたから汗だくだよ」

理佐「わっ、ホントすごい汗!!」


と、私はハンカチをカバンから取り出して彼の額の汗を拭いてあげた。


義雄「あ、ごめん…ありがとう」

美波「いぃなぁー、理佐に汗拭いてもらって!!」

義雄「え………」

理佐「ちょっと美波ぃ……」

美波「あたしも彼氏欲しいなぁー」


高嶋先生「おいおいお前ら自習てのはいちゃつくんじゃなくて勉強するんだぞ」

生徒たち「ハハハハハ……」


理佐「すいません……」


美波「ねぇねぇよしおくん、今日は放課後三組の教室でみんなで勉強しようよ」

義雄「あ、そうなの?」

美波「うん、おぜちゃんも残って勉強していくって」

義雄「いいの?」

美波「理佐と由依も一緒だからさ」

義雄「あ、そうなの? それじゃ……」

美波「やっぱ理佐がいると残るんだね」

義雄「え………」

理佐「ちょっと美波ぃー!」


義雄「だってもともと今週は一緒に勉強する約束してたから…」

理佐「え?そうだっけ……」

義雄「電話の時に『明日から…』て言ってたじゃん」

理佐「あ、そうだっけ……」

義雄「うん、だから今日も残るつもりだったけど…」

理佐「あー……ハハハ……」


美波「じゃあ授業終わったら三組に集合ね、茜も誘っとこっか?」

理佐「うん、そうだね」

義雄「じゃあうちのメンツも誘っとくわ」


と、言うことでずいぶん大勢の勉強会になりそうです。







第百六十八話へつづく…