キーンコーンカーンコーン……
と、チャイムが鳴ると続いて下校を促す放送委員のアナウンスが流れ始めた。
理佐「あ、もう下校の時間だよ。」
義雄「あ、ホントだ!」
理佐「じゃあ帰ろうか?」
義雄「そうだね」
理佐「さっきのところ、ちゃんと勉強しといてね」
義雄「うん、わかった」
理佐「カンニングはダメだよ!」
義雄「えーーー…………」
理佐「もぉー!ホントダメだからね!」
義雄「わかった……頑張ってみるよ」
理佐「うん……」
義雄「途中まで送るよ」
理佐「あ、うん……ありがとう」
そして二人で自転車を押しながら歩いて帰った。
理佐「ねぇ……少しは大学行く気になった?」
義雄「うーん…まだ考えてない…かな」
理佐「進路希望は何て出してるの?」
義雄「『未定』て書いてる」
理佐「えー!それでいいの? 先生は?」
義雄「何だこれ?て言ってた」
理佐「そりゃそうだよ」
義雄「だってわかんないもん」
理佐「でももうそろそろ決めないと…」
義雄「でも…まだ高二だよオレたち…そんな先のことまで考えられる?」
理佐「うん……でも進学か就職かぐらいは…」
義雄「専門学校てのもあるけどね」
理佐「専門学校行きたいの?」
義雄「うーん…わかんないけど…」
義雄「兄貴は専門学校行ってるんだよ」
理佐「へぇ~そうなんだ…」
理佐「てかお兄さんいるんだね」
義雄「うん、二人兄弟」
理佐「そうなんだ……私、西野くんのこと全然知らないや」
義雄「え、これからどんどん知ってくれたらいいじゃん」
理佐「うん……」
理佐「…………じゃあ聞いてもいい?」
義雄「あ、うん……いいよ何でも」
理佐「…………どんなタイプの女の子が好きなの?」
義雄「え!何それ?笑」
理佐「え、いや……そのぉ……聞いてみただけだよ!いいよ別に答えてくれなくても……」
と、彼の反応に急に恥ずかしくなってきた。
それでも彼は…
義雄「そうだなぁ……」
と、答え始めてくれた。
義雄「おとなしい感じで…背は自分より低いほうがいいかな?」
義雄「で、性格はキチンとしててよく笑う明るい子で可愛かったらなお良いかな?」
理佐「えー!何それ!? 理想高いよー」
義雄「そうかなぁー?」
義雄「でも…オレのこと好きになってくれる人だったら……」
理佐「え………」
義雄「………」
第百六十四話へつづく…