日曜日、
私は本屋へ向かうため自転車を走らせていた。
市役所前の御池通りから寺町通りに入るとアーケード街なので自転車を押して歩いた。
するとスピーカーからコンコンチキチン♪と祇園囃子が鳴り響いていた。
祇園祭、もうすぐだなぁ~…
期末試験の最終日が16日だからちょうどその日が宵山だ…
彼……誘ったら一緒に行ってくれるかな?
「みんなで」て言えばきっと大丈夫だよね…
そんなことを考えながら歩いていると本屋へと着いた。
自転車を停めて参考書の置いてあるフロアへと行くと、
ふと目に留まった赤本のコーナー。
大学ていっぱいあるんだなぁ……
てことはそれだけ大学生もいるんだよなぁ…
彼はホントに大学は行かないのかな?
私は………
大学に行く意味てなんなんだろう?
確かにみんながみんな行くわけじゃないし…
でも彼が行かないとなると卒業しちゃったらお別れ……?
え……
やだよぉ、そんなの………
もし付き合ってたとしたら……?
でも私が大学に行って彼は別の道で……
「ごめん、他に好きな子出来たから」
えーー!!
やだぁーそんなのー!!
「あんた何ぶつぶつ言ってんの?」
と、後ろで声がして驚いて振り向くと由依がいた!
理佐「由依!!?」
由依「あんた……何か恥ずかしいよ?」
理佐「え、やだ……私声出てた」
由依「うん、一人でなんか『やだよぉー』とか言ってるから……」
理佐「え、うそ……恥ずかしっ!!」
由依「下に自転車停まってたからいるんだろうなぁ、て覗いてみたら……」
理佐「え、どこ行ってたの?」
由依「てか、あたしも参考書買いにね」
理佐「あ、そうなんだ……」
由依「あんたここ赤本のコーナーじゃん!もう大学絞ってるの?」
理佐「いや、そうじゃないんだけど……」
由依「どうせ西野くんのこと考えてたんでしょ?」
理佐「えっ!何でわかんの!?」
由依「そりゃあんだけ百面相やってりゃね笑」
理佐「え、やだもぉー」
由依「で?買うもの決まったの?」
理佐「あ、私も参考書見にきたんだ」
と、言って二人で参考書のコーナーへと移動した。
理佐「由依は何買いに来たの」
由依「あたし数学……理佐は?」
理佐「私は化学」
そして二人それぞれ参考書を選びお金を払って店を出た。
第百五十四話へつづく…