そして私たちは二人で自転車を押しながら帰り始めた。
義雄「渡邉さんは勉強出来るからいいよなぁ~」
理佐「え、そんなぁ…頭は良くはないよ」
義雄「だって成績はいいじゃん?」
理佐「え、でも全然だよぉ……」
義雄「オレなんかと比べたら全然勉強出来るじゃん」
理佐「出来るってことはないけど……でも勉強は好きだよ」
義雄「ほら!それが出来る人の言う事なんだよ」
理佐「えー、そんなことないよぉ」
義雄「なんであんなのが好きなのかがわかんないよ」
理佐「え?だって面白いじゃん!歴史とかでもストーリーあるし」
義雄「歴史なんてもーちんぷんかんぷんだよ!出て来るのみんな同じような名前ばっかじゃん!」
理佐「アハハッ、確かに!でもちゃんと個性とかも一緒に覚えれば絶対出来るよ」
義雄「そうかなぁ……」
理佐「西野くん、ホントに大学行かないの?」
義雄「うん、今のところは行く気にはなってないなぁ」
理佐「そうなんだ……」
義雄「渡邉さんは行くの?」
理佐「うん、一応……」
理佐「……………………………だから……」
義雄「だから……?」
理佐「だからぁ……そのぉ……」
義雄「………?」
理佐「西野くんも同じ大学とかだったら楽しいかなぁ……と、思って……」
義雄「え………?」
理佐「あ、ごめん……迷惑……だよね、そんなこと言っちゃ……」
義雄「いや!迷惑だなんて……嬉しいよ、そう言ってくれて……」
理佐「ホント?」
義雄「うん……」
理佐「じゃあ大学行く気になった?」
義雄「うーーーーん…………」
理佐「ん………?」
義雄「少しは考えとくよ」
理佐「そぉ?じゃあ少しは期待しとくね♪」
理佐「じゃあ私こっちだから…」
義雄「あ、うん…今日はありがとう」
理佐「うん、頑張って勉強してね」
義雄「ほどほどにね」
理佐「もおー、留年しても知らないからね」
義雄「大丈夫だよ!」
義雄「じゃあ気をつけてね」
理佐「うん、バイバイ」
と、言ってそれぞれの家へと帰った。
第百五十二話へつづく…