理佐「ただいま~」
母「おかえり~」
家に帰ると私はリビングのソファに腰をおろした。
母「あら、今日はピアノの練習はしないの?」
理佐「うん、あとでやるよ♪」
母「最近、久し振りに弾いてるかと思ったら、あれ何の曲なの?」
理佐「部活でやる曲」
母「あんた軽音に入るって入部届け出したけど、軽音てあんなのやるの?」
理佐「うん、あれは頼まれた曲なの…」
母「へぇ~…」
理佐「私たちのバンドでやるのはもっと違う曲だよ」
母「そうなの?まぁお母さん聞いてもわかんないけど笑」
理佐「今練習してるのは今度昼コンでやる曲だよ」
母「へぇ~…昼コンて何?」
理佐「昼休みにやるコンサート、一学期と二学期の中間と期末テストの間にやるの」
母「へぇ~そうなんだ…あんたも出るの?」
理佐「うん、軽音と民研でやるから…」
母「由依ぽんたちと出るの?」
理佐「由依ぽん?? うぅん、まだ由依たちとは無理だよぉ」
母「じゃあ誰と出るの?」
理佐「え、だからその…頼まれたので…」
母「あー!言ってたお魚屋さんでバイトしてる男の子?」
理佐「………うん…♪」
母「へぇー!♪そうなのー?♪」
母「で!その後どうなのよ!」
理佐「えー!別にその後って言っても何も……」
母「え?何よぉー、何も進展ないの?」
理佐「進展て……」
母「あんた好きなら好きで早くものにしちゃわないと!」
理佐「『もの』って…」
母「そんなバンドとかやってる子なんて人気あるんじゃないの?」
理佐「うん……かも……」
母「じゃあ早くどうにかしちゃいなさいよ!」
理佐「えー!どうにか、て……」
母「何だかお魚食べたくなって来ちゃったから明日買いに行こうかな?」
理佐「えーー!やだよぉ~…」
母「いいわよ、別にお母さん一人で行くから…」
理佐「え、ちょっとぉーー!!」
母「どんな子か気になるし見たいし♪」
理佐「やだよぉ~来ないで!」
母「いいじゃない!どんなイケメンか一度見たいしね♪」
理佐「ダメー、もぉー!」
母「じゃああんた買ってきてよ!」
理佐「え、私が…?」
母「うん、そう♪お願いね♪」
理佐「えー………もぉー………」
第九十六話へつづく…