騎士のおじさんに促されるようにして、わたし達はソファに腰掛けた。向かい合わせじゃなく、隣り合うように腰掛けて、改めて言葉を交わしていく。


「すまなかったねぇ……本当は昨夜のうちに挨拶を済ませたかったし、きちんとした部屋を用意したかったんだが」


 国王様はそう言ってシュンと肩を落とした。どうやら本当に申し訳ないと思っているらしい。わたしは大きく首を横に振った。


「いえ、そんな……ここに着いたのは深夜のことでしたし、一晩過ごすためだけのお部屋ですもの。十分すぎるぐらいでした」


 言いながら自然と笑顔が零れだす。
 国王陛下と聞くと、何だか近寄りがたい感じがするけれど、実際はとてもフレンドリーな男性だった。わたしみたいな孫がいるなんてとても信じられない程、若々しく美しい顔立ちをしている。


(多分、若い頃はめちゃくちゃモテたんだろうなぁ)


 口調も優しいし、全然偉そうじゃない。ごくごく普通の、おじいちゃん――――おじさんだ。