繋がりのないわけのわからない言葉にクエスチョンマークを浮かべるまでもなく、腕の中にすっぽりと閉じ込められてしまった。
一瞬で千輝のムスクに捕まって、離れられない。
「廊下から田邊くんと話してるとこ見えて、無理になった」
「……無理、とは」
「今すぐキスしないと無理になった」
恐ろしいくらい整った顔で口角を上げた千輝の顔に見惚れるまでもなく、重ねられた。触れるだけのキスはこれまで幾度となくしてきた、私だけの宝物だ。
「同じクラスがよかった」
一度顔を離して呟いて、もう一度重なって、
「隣の席が良かった、田邊くんが羨ましい」
さっきは余裕そうに口角を上げていたくせに、全然余裕がなさそう。こんな焦ったみたいな嫉妬に塗れたキス、私にしてみたら嬉しくてたまらない。



