甘く、溶ける、君に。




そりゃあそうだ。私が死ぬかもしれない理由は模試なんかではないのだから。高3の夏、受験モードも本格化して、クラスメイトの脳内は9割受験でいっぱいだろう。



けれど勉強はそれなりにできるし然るべき準備をしてきた私にとってはこれからも油断をしなければ良い話で。私にとっての死活問題は別件だ。




「じゃあなんでそんな顔してんだよ、珍しい」


「……………寂しい」


「……はぁ」



……寂しい、寂しすぎる。


完全に夏休みの弊害を食らいまくっている。


そしてさっきまで多少は心配そうに私を見ていた田邊が一瞬で呆れ顔となった。