甘く、溶ける、君に。




私と瑛斗は仮にも身体を許していた仲なのに、毎日毎日こうして瑛斗を観察していても私のほうを向いてくれることはない。


後ろの席の瑛斗に対して振り向いている姿勢になってるから不自然なはずなのに、瑛斗は私に気がつかないし、気づこうとしていないし、そんな私なので、彼にできることは何も、ない。




……そして彼と私は高2の間はもちろん、卒業まで一切関係が戻ることはなかったし、他の子も、そうだった。



卒業式の日、トレードマークだった茶髪が黒く染まっていて、たくさんついていたピアスが左耳のシルバーのフープピアスだけになっていた。


見慣れない瑛斗のことを高校の同級生として見ていられるのはその日で最後。



3年になってから私には彼氏ができて今はちゃんとその人のことが好きだし、

これからきっと瑛斗のことは「あんなに好きで追っかけていたひとがいたなあ」くらいの思い出に、なるんだろうな。