沈黙が流れて、1、2、3秒……私はその薄く開かれた目から視線を逸らすことができなかった。



今日はもう、何度目か。

視線が交錯して、それが熱っぽくて、心臓がきゅうって締め付けられるような感じがする。




「いかないで、遥乃。ここにいてよ」





千輝くんの力は、弱々しい。

引き止める気、感じられないのにその言葉と表情は私をここに居させるのに十分なものだった。



「……わかった、いる」



そう答えて、さっきと同じように座ったら千輝くんは満足そうな顔をしてもう一度目を瞑った。



弱々しく掴まれた手首は離されて、代わりに手のひらを握られる。



指が絡まってくる、絡ませてくる。



確実に、私の方が熱いよ、千輝くん。