甘く、溶ける、君に。



本気か冗談か。

意地悪そうに微笑む千輝くんにどっちかなんて聞けないし、きっと私に拒否権はないんだけど。


口移し、なんて意味わかんない絶対的冗談を言うから私は言われた通りに熱いおかゆを冷ますしかなくて。



……ふーって、いつも熱いものを食べるときにするみたいに。

恥ずかしい、風邪治ったら絶対千輝くんに文句言ってやるから。



レンゲにおさまった、冷めたであろうふにゃふにゃの白米。小さくあいた千輝くんの口の中に吸い込まれていく。



……俗に言う、"あーん"だ、これは。



恥ずかしさで死にそう。消えてしまいたい。

でもこの行為に恥ずかしさを覚える自分に一番驚いた。私にも人間らしいところあるんだねって認識した。