甘く、溶ける、君に。





「俺、病人だし。そんくらいしてほしい」



さっきよりも全然流暢に喋るんだもん。

口角を上げながらそう言うんだもん。



思わず風邪なんか治ったんじゃないかと思ったけどその考えは一瞬で崩される。


体をだるそうにしてるのは変わらないし、顔も赤っぽくて、とろんとした目は同じだから。



きっと高い熱があって、ずっと一人で苦しんでいたはずなのに私に対してそうやってからかう余裕があるなんて、どうやったって私は千輝くんに勝てないよ。



やっぱり私はそんな千輝くんにドキドキが止まらなくて病人相手にも完敗なんだもん。




「そんなふうに言う、余裕あるくせに……っ」


「それとこれとは、別だし」