甘く、溶ける、君に。



「千輝くん、」と声をかけるのと同時、肩を小さく叩けば苦しそうな表情のまま、ゆっくりと目が開かれる。



綺麗な目。綺麗すぎるその目に映る私、千輝くんにはどう見えているんだろう。




「食べないと、薬飲めないから。ごめんね、起こしちゃって」


「ん……」




ベッドの近くにあった小さい机を借りて、その上にどんぶりを置いて。


少しでもおかゆを食べてもらって、薬を飲んで、早く元気になってもらえるように。



「体、起こせる?」




薄く開かれた目に問えば、答えるより先に千輝くんの体が起き上がる。


辛そうで、枕のほうに寄りかかりながらこちらを見る。



普段とは違う、熱っぽいその視線と表情にまたドキドキと心臓が鳴りそうで仕方ないけれど、今回はさっき落ち着かせたのが正解だった。


それよりも辛そうな千輝くんの具合が早く良くなりますようにという思いの方が勝った。