甘く、溶ける、君に。



……初めて入る、千輝くんの部屋。昔はよくお互いの家に遊びに行ってたっけ。

でもそれも実家だし、今とは全然状況が違う。



当たり前だけど千輝くんの匂いがする、ドキドキしちゃって本当に私はこんな時すらそうとしか考えられない。


千輝くんが行動不能じゃなかったら私どうしてただろうか。


今くっついているのも、きっと普段だったらそのまま抱きつきちゃいたくなっちゃうね。



そんな煩悩を振り払うようにして、「お邪魔します」と小さく言って。


歩き始めるとひ弱な私が男の人ひとりを支えて歩くのは結構しんどくて、

すぐにそっちに集中しないといけなくなるんだけど。



うちとほとんど同じ間取りで、奥の一室にあったベッドの前まで着くと、

千輝くんは自ら私から離れてそのままベッドに倒れ込んだ。