甘く、溶ける、君に。



この状態の千輝くんを放置することなんてできない。

ていうか千輝くんじゃなくても、風邪ひいて辛そうな隣人をほっとくことはできない。私にも人間らしさはまだ残ってる。



「……〜っあがる!」



聞いといて3秒、やっぱりほっとけるわけないと思考がシフトチェンジ。

返事を待ってなんかいられなくなってしまった、一瞬で。


なんて言われたって、許可を得られなくたって、絶対あがる、と押し切るために開かれた隙間に手をかけてドアをぐっと開けると。



「っ千輝くん!?」


「悪い……俺、もう限界……」



こんなにも体調悪いのに長く立たせてしまった私のせいだ。

きっとずっとしんどかったのに、ここまで歩いてきてくれて、もっと考えるべきだった。