煩悩を振り払うように、千輝くんをちらりと見上げてみると、 彼は俯いていてよく顔は見えなかった。 けど、なんだかいつもと違う。 ……なんだか、顔色が悪い? 心なしか、顔が赤っぽく見えて、立ち方もしんどそうで、辛そうな感じもあって……もしかして。 「千輝くん、もしかして……」 もしかして、っていうか多分それでしかなくて。 ドアノブにかかっている手に、恐る恐る触れた。 「……っ!ち、千輝くん! 大丈夫!?」