甘く、溶ける、君に。



田邊にそれを言われるとは思ってなくて、表情も手も固まってしまった。


私がいつも、思ってたこと。


誰かと食べるご飯が世界で一番美味しくて、その時間が幸せだって。



田邊、気づいてたんだ。

それに加えて田邊はいつも私の作った料理を美味しそうに食べてくれて、それを見るのが好きだったんだ。


田邊とのご飯の時間、好きで、幸せだなあって思ってた。

それだけで、私は本当にそれだけでいいのにって思ってた。



そこまで気付いてるかはわからないけど、田邊は知ってたんだね。



寂しいよ、寂しいんだ、私は。

だから誰かと一緒にいたくて、満たされたくて。


全部、田邊は理解してくれてる。