【短】夏のせい、君のせい。



「わたし自身、認めたくなかったの」

「うん、わかってる」



夏奈が言えずに隠していた理由は。
さらにその奥にずっと隠されていた気持ちも。

俺が言えなかったこと。
そして、俺の本当の気持ちも。



「全部、わかってる」

「そっか」

「夏奈もでしょ」

「うん。わかってる」



言わなくてもわかってる。

この夏のせいかな。

すべて伝わってくる。

爽やかな風に乗せて、夏奈のまっすぐすぎる気持ちが心にしみわたる。

それは、夏奈も一緒なんだろうな。



「これからも一緒だよ」

「うん」

「この町には思い出がいっぱいだから、今度は新しくわたしの住む町で、たくさんの思い出をつくっていこうよ」

「いいね」

「家のすぐ目の前に海があるんだよ。すぐに行けちゃうよ」

「最高じゃん」

「最高だよ。だから……会いに来てね」