あの頃からあなただけが好きでした


 手紙に何と書かれていたか。
 コーカスを離れると決まっていたカーティスが私に渡そうとした手紙に、何を書いたのか。
 
 私はこの前、家の前で待っていたカーティスから6年後に聞いて、知っていたけれど。




「封筒の中には、貴女の好きな詩人の詩と、リボンと……」

「ジュリア、カーティスはなんと書いていたの?」


 なかなか手紙の内容を話さないので。
 私は焦れて口調がキツくなる。

 読んでしまった、捨てた、ではないでしょう?
 世間ではそれを『盗み見た』『勝手に処分した』と言うのよ?



「……彼は……貴女を愛してる、って書いていた。
 もし気持ちに応えてくれるなら来てほしい、と。
 ……時間と場所が書いていたわ」

「……」


 18歳だったあの日、ジュリアから渡されたカーティスからの封筒には。
『アフロデリア』が書かれた便箋が1枚と。
 蒼いリボンだけが入っていた。



 ジュリアは手紙を抜いて、それだけを私に渡したのだ。

 
 手紙の存在を知らなかった私は、カーティスに会いに行かず。
 抜かれたことを知らないカーティスは、私を待ち続けた、ということだ。