キーナンさんが見つかった、とカーティスから教えられて、私は久しぶりに故郷へ帰る列車に揺られていた。
 
 個室の特等席までは無理だけれど、二人用客室の一等席くらいは私も買える収入を得るようになってきている。



 王都のセントラル駅から蒸気機関車でコーカスまで半日かかる。
 それでも精度と速度が上がって7年前の修学旅行時から比べると、2都市間は近くなっていた。


 列車の振動に揺られながら、4日前にカーティスから聞いた話を思い返していた。


 キーナンさんが見つかったのは1年以上も前だ。
 カーティスはクレアを通じてでも、直ぐに私に教えてくれてもよかったのに。
 つい、なじるようにそう言ってしまった。


「もうジュリアさんは結婚しているだろうから、今更知らせるのは余計な事かと思っていた」

「……キーナンさんは何処に居たの?」

「ずっとコーカスに居た。
 駆け落ちしたと思われてた日から、ずっとね」

「……どういう事?」

「ムーンロードの森の……小さな湖があるだろ。
 あの側に埋められていた」

「埋められて?」