私達が返事をする間もなく。
 カーティスは言葉を続けた。


「失礼な事だと承知致しておりますが。
 ダウンヴィル様は受付では、モートン様と名乗られていらっしゃったような?」


 カーティスは各テーブルを周って挨拶をする為に受付表で名前を覚えているのだろう。

 彼はスコットがモートンと書いた訳を聞きたそうだけれど。
 私からすると、どうして初めて会うのにスコットだと言い当てたのか。
 それも彼の家名を何故知っているのか、その方が不思議だったし……

 それに今スコットの事を私の婚約者だ、と言ってなかった?



 スコットとの付き合いは6年になる。
 私が聞きたいことはわかっている、と言いたげに私を見て、彼はウインクした。

 それで、この場はスコットに任せることにする。