明後日、キーナンさんからのプロポーズがあれば。
何もかも、笑い話になる。
ジュリアって、泣いちゃって子供みたいだったね、と姉をからかえる……
2日後、ジュリアの元にキーナンさんが現れる事はなかった。
姉は約束したカフェで5時間、閉店時間まで恋人を待った。
夕食ギリギリに帰宅した姉に、母が注意した。
『これからは気を付けますから』と、姉は小さな声で言って頭痛がするから、と食事もせず私室へ引き取った。
姉の居ない夕食の席で、両親が姉の結婚について会話していた。
どうして本人の居ない所で話をするのか、と言ってやりたかったけれど。
とばっちりで、私の受験について文句を蒸し返されそうで、私は静かにしていた。
私は狡い……自覚していた。
もし、カーティスが明日登校してきたら。
お兄さんの不実をなじってやろうと思っていた。
ジュリアへの気持ちが冷めたのなら、はっきり
伝えるのが筋でしょうと。
カーティスとはそんな理由でしか、もう会えないのかもしれない……



