あの頃からあなただけが好きでした


 これは二人きりの兄弟なのに、兄貴を信じなかった俺の贖罪だ。
 もし反対だったら、キーナンは俺を信じてくれただろうに。




 ギリギリまで俺はやれる、と自己暗示をかけた。
 体力的にフラフラの状態でも、頭は冴えている。
 
 
 国外脱出はないだろうとふんで、バロウズ王国全体地図を部屋の壁に貼り、探した地域を塗り潰していく。
 眠る前にはそれを眺め、次の休みは何処を周ろうか、と考える。
 この不思議な興奮状態は、どうでもいい相手との性行為より俺を高揚させた。


 捜索には親父の幼馴染みのガーランド港湾人足
組合長の協力が必要だった。
 組合長は顔が広くて、王都は勿論のこと、他の
地方都市にもネットワークを持っていた。
 地元の人間に話を通して貰わないと、俺は自由
に動き回れないからだ。


 コーカス警察もバージルを捜索していたが。
 あんな組織は管轄だの何だので、他とは連携が取れていない。
 アイツらに任せていたら、一生バージルを捕らえることは出来ないな、と思ったのだ。



「コーカスまで連れてこい、と伝えてくれ」


 俺の考えていた通りの場所を、親父が口にした。

 コーカスの店は閉めたが、あそこには商会の倉庫がまだ残っていた。

 ……今回使用したら、直ぐに処分しよう。