翌日、約束した通り。
 研究所の通用門を出ると、少し離れた所で カーティスが私を待っていてくれた。


 彼の元に歩いて行く。
 もう私は迷わない、彼が待ってくれている所へ
歩いて行く。



「マリオン!」

 呼ばれて振り返ると、スコットが私に向かって
ずんずん歩いてくる。
 スコットの後には、彼を迎えに来たのかブレナーが居て。
 私は彼に手を振った。


 貴方が私の背中を押してくれた。
 ありがとうと、感謝を込めてブレナーに向かって手を振った。


 それを眺めているけれど、カーティスは動かなかった。
 私が自分のところに来ることを、彼は待っているのだ。


「昨日の事、ブレナーから聞いたよ。
 アイツ普通じゃないぞ、わかってる?」

 スコットの口許が歪んでいて。
 皮肉な口調だけど、私を心配してくれているのがわかる。


 今日の昼はあえて、彼を避けていた。
 多分、カーティスとの事で、心配性の弟からお説教されると思ったから。


「クレアだって、アイツの被害者に近いんじゃないか?」

「貴方、彼を誤解してる。
 あまり愛想良くないから、理解されにくいけれど、それほどひどい人じゃないわ。
 いつかスコットとも、仲良くなれると思う」