「クレアさんには偽装を頼まれたのです」
「偽装?」
「縁談が嫌で王都に戻りたくないから、恋人だと偽装して欲しい、と頼まれました」
縁談があってクレアをウチに戻すなど、両親からそのような話は聞いていない。
「おかしな話なので調べてみたら、クレアさんはガーランドでお付き合いしている人が居るんです。
彼と別れたくなくて、私でカムフラージュをしたかったんでしょう。
私の方も愛する女性が居て……
事情があってクレアさんの申し出を受けたのです」
「……」
「ですがやはり、ご家族を騙すのは心苦しくて。
クレアさんには正直にご両親にお気持ちをお話しするように説得したつもりなのですが、お聞きになっていらっしゃらないようですね」
「クレアからは何も……」
「畏まりました。
クレアさんからは言いにくかったのかも知れませんね。
後程、ご両親とお兄様方には事情をお話し致します。
あちらでお待ち願えますか?」
「……」



