来月、アフロデリアで行われる貸切の集まりは、婚約パーティーなんかじゃない。
開店して2ヶ月が過ぎ、期待以上の売上と人気に。
挨拶と御礼を兼ねた親しい人だけを招いた内輪のパーティーだ、と聞いている。
さすがに今回は、私と家族も招待客に含まれていた。
人数は決められているが、王都に住む知り合いを誘ってもいいと言われ、マリオンとスコットも誘った。
ふたりとも断ると思ったのに。
スコットは断ってきたが、マリオンは参加の返事を寄越した。
どうして、顔を出す気になれるの?
私の知らない所でふたりは会っているのか、疑心暗鬼になる。
いいわ、その御祝いの席で、私との婚約を発表してあげる。
違う、なんて拒否したら『遊びだったのね』と、騒ぐつもりだ。
それが真実でなくても、カーティスはスキャンダルにまみれる。
そんな目には合いたくないよね?
私を無視して怒らせた貴方が悪いんだからね?
商売しているなら、信用第一だってわかっているよね?