あの頃からあなただけが好きでした


 そう思って……もう二度とマリオンに関わるつもりはなかった。

 私はこれからもマリオンを餌にして、カーティスを縛り付けてやるけどね。
 そう思っていたのに。


「ブライズメイドの話、受けるわ」


 辛そうな顔をして、化粧室に立ったマリオンの後をカーティスは追いかけた。
 ふたりで何か話したのは間違いない。

 顔色が悪く今にも倒れそうだったのに、しっかり立ち直っている。
 遅れて席に着いたカーティスも、マリオンの返事に驚いていた。


 短時間で平常に戻ったマリオンには、ムカついたけれど。
 どうするの、カーティス?
 案外、マリオンは平気じゃない。
 このまま……私と結婚まで行くしかないね?



 この後出番がないのか、ずっと私はカーティスに放っておかれた。


 私の家族に対して恋人として振る舞う約束なのに実家に挨拶も来てくれない。


「忙しくて、会う時間は取れないな」


 いつもそう言って、ホテルに行っても追い返された。
 フロントでは部屋番号も教えて貰えない。 
 ロビーでしか会えないから、詰ることも出来ない。

 

 それで実力行使に出ることにした。
 王都の友人達に彼との事を触れ回った。
 ガーランドに戻ってからは職場でも同僚に話した。
 結婚退職するのだと、婚約披露パーティーだと、皆を招待したいと言い続けた。
 彼の外堀を埋めようと思ったのだ。


 グレイグが何か言いたそうにしていたけれど。 
 奥さんと子供が帰ってきてから会う回数は減っていて。
 この話を聞いたなら、もう終わりだと理解してくれただろう。