そんなことも気にしていないクレアは、何故か上機嫌だった。
「小説や舞台で流行っているのよ。
何らかの理由で周囲から結婚を押し付けられてそれから逃げたい男女が愛情なしで契約して、婚姻するの」
「そんなことをする意味がわからない。
現実の話をしてくれ。
君と俺が契約して結婚をする?」
「貴方は私と結婚すれば、これからも友人の夫としてマリオンと会える……
この意味はわかる?」
「……」
「普通なら人妻になった彼女とはもう会えないでしょ?
元同級生なんかに、スコットが会わせるわけないわ。
だけど私なら貴方に、これからも協力してあげられる」
「……」
「彼女が嫁いでも、子供が出来ても、忘れられないのなら……
マリオンには友人の夫として、これからも会えばいいわ」
◇◇◇
クレアは両親から縁談を勧められて、実家に戻ってくるようにうるさく言われているのだと続けた。
王都に帰りたくない、とクレアは言う。
契約婚……私達はお互いにそうするメリットはある、と強く力説されたが。
直ぐに返事は出来ない、と答えた。



