「過保護なお兄ちゃんは、許さないからな」


 朝の挨拶もそこそこに、会うなりスコットに言われて、呆気に取られた。
 お兄ちゃん?


「あの男だよ、アレのあれ!
 全部言わせるなよ、わかるだろ?」

「あれの事はわかるけど。
 過保護なお兄ちゃんて、貴方?
 貴方は手のかかる弟なのに、何言ってるの」

「……」 

「一番上がブレナー、二番目が私。
 スコットが甘えん坊の末っ子ね」

「……そんな事はどうでもいいんだよ、とにかく俺は許しません、だから。
 アイツは止めとけ、って言ってるの」


 すると、ずっと黙って私達のやり取りを見ていたブレナーが、隣の席からスコットの両肩を掴んだ。


「相変わらず順序をすっ飛ばして、結論から話すんだから。
 ……おはようマリオン、我が妹よ」

「おはようございます、ブレナーお兄様」


 普段はブレナーにお兄様なんて言わないんだけれど。
 会話のノリで、そう答える。