過保護な兄貴と言われて、もうこれ以上ブレナーに話すのは止めた。

 ブレナーの言うように、いつかはマリオンも結婚する。
 それはわかっている。
 しかし、あのカーティスは駄目だ。
 兄としては、もっと真っ直ぐな男に任せたい。


 もしブレナーの言うようにマリオンの事を諦めていないのなら、クレアの事はどうするつもりなんだ?
 残酷にも自分の結婚式にブライズメイドを頼んだ奴だぞ?
 性格悪すぎる。



 信じられないことに、マリオンは披露パーティーにも行く、と言っていた。
 自分を今以上に傷付けるのは、何の為なんだ?
 そんなマリオンを見るだけでも嫌な俺は、絶対にパーティーに行かない。


 過保護な兄貴、上等だ。
『お兄ちゃんは、あの男だけは許さないからな!』と、明日マリオンに言ってやる。



「はいはい、深夜なのに鼻息荒いよ。
 寝る寝る」


 ブレナーの腕の中に、無理矢理入れられた俺は幸せ者だ。