「じゃあ、マリオンが応えてくれたら。
 あいつはクレアを捨てるつもりなのか?」

「……それは、俺にはわからない。
 クレアとはどんな感じで付き合ってるのかもわからないし。
 だが、昔は両想いだった、とお互いに知っちゃったしな。
 周りのせいで結ばれなかった初恋……って厄介だぞ?」


 強がっていたのは見え見えだったけど、あの
マリオンが知り合いの恋人を略奪するか?

 そんな恋愛のドロドロには一番遠い所に居るようなマリオンだ。



 だが、あの男……カーティスは。
 一度しか会っていないが、見た目だけ女のクレアの事を好きになるようなタイプに見えなかった。

 そんなことを考えこんでいた俺に、ブレナーが軽いキスをする。


「明日も早いから寝よう。
 お前が悩む事じゃない」

「うん……」

「マリオンが心配?」

「妹みたい、ってお前もよく言うだろ?
 あんな質の悪い男に引っ掛かったら、心配じゃない?」

「過保護な兄貴だなぁ。
 時が来たら手放してあげないと。
 マリオンだって、いつか誰かと結婚するんだから」