それは、まだ春でも夏でもない季節だった。

 季節の衣替えみたいな、この時期に夜空を見上げると、あの時、彼に恋した、『愛おしい気持ち』が、流れ星みたいに心を掠める。


『あみ、星が堕ちてくるな』


ーーーー私達は、見上げた夜空から星が、ころがり堕ちるようにして、あなたの名前みたいにあっという間に恋に堕ちた……って、私は思ってる。

 私は、今夜も夜空に輝く星たちに囲まれて、背伸びして、背の高い彼の左耳に囁くの。


(しゅん)、だいすきだよ』って。