「ごめん、羅央くん。私、よく考えたの。羅央くんの気持ち、私が聞けてなかったよね」

「えっ、沙奈先輩?」

「だからやり直そ!羅央くん」

沙奈先輩はそう言うと俺の元にスタスタと自信のある歩き方で近寄ってきた。そして、俺は呆気に囚われながら、俺の唇に柔らかいものが当たる。

俺は気分が害した。そして綺麗と有名な沙奈先輩をバッと両手で突き放してしまった。沙奈先輩は驚いた顔をして、怒気の顔を向けてくるが俺は気にせず、教室から飛び出した。


走った。走って、走って、走った。