「なぁ、佳乃花聞いてるか?」

「もー、羅央くん聞いてるってば」

「なぁなぁなぁ、あの綺麗って全学年に有名な沙奈先輩と付き合ってた俺だぞ。つきあいたくないのかよ」

「もうー、せっかくいい先輩と付き合ってたのに別れたんでしょ。羅央くんもったいないよ」

佳乃花は俺にそんな言葉を言って頬を膨らます。

「別にもったいなくねーし」

俺は思うようにことを運べないことに苛立ち、机に突っ伏した。

「本当もったいないよな〜、佳乃花ちゃんの言う通りだよ。羅央には呆れたわ、俺」

と厄介な春馬が入って来た。俺は春馬の言葉は無視した。