佳乃花side

「っ……。えっと」

私に永絆先輩と羅央くんの目が強く刺さる。

私は抑えていた本当の気持ちが私をくすぶる。


そして私は、両手をグーに胸に当て、こくんっと頷いた。

「永絆先輩、ごめんなさい。私…。私、本当は羅央くんのことが本気なんです。永絆先輩、本当にごめんなさいっ!」

私は強くそう言うと爽やかな永絆先輩の顔が崩れていった。そして、私の首元の制服のシャツを掴みかかりそうになり、その手を羅央くんが止めた。