そっと重なった唇。
この温度も久しぶりに感じて涙が出そうになった。
「……ふっ、へたくそ」
「なっ…!しかたないじゃん、初めてなんだから!」
「はいはい、これから覚えて行こーね羅奈ちゃん」
よしよしと頭を撫でて慰められて、恥ずかしくなって一ノ瀬くんの胸に顔を埋めた。
幸せな、2人の世界。
願わくば、ずっとこのままでいたい。
「私もわがまま言っていい?」
「どうぞ、お好きなだけ」
「…エミリさんとあまり近くにいないでほしい。お仕事はしょうがないけど……一ノ瀬くんは、私のだから」
恥ずかしさが隠しきれなくて顔を埋めたままTシャツの胸元をきゅっと握った。
重いかもしれない、束縛かもしれない。
でも、一ノ瀬くんは…他の女の子の所になんて行って欲しくないんだ。
「…ふっ、なにそれ」
「笑われた…っ、私は至って本気であって!んむ」
一ノ瀬くんの笑い声に反応してぱっと顔を上げたらまた綺麗な顔で口を塞がれる。
あたたかくて、心地よくて、安心する。



