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広場には街のシンボルともいえる時計塔と、決められた時間で仕掛けが発動する噴水がある。
舗装された石畳の道は馬車が行き交い、人々が休めるようにと設置されたベンチは、カップルからお年寄りまで多くの人に利用されている。
アメリアとエマは、ちょうど空いていた噴水前のベンチに座り、近況報告に花を咲かせた。
思い出話から最近あったおかしなことまで話のネタは尽きなくて、あっという間に時間は過ぎていく。
そろそろお別れの時間かしら、とアメリアが残念な気持ちになっていると、頬を染めた若い令嬢たちがとある場所を見つめてこそこそと話しているのが目に入った。
「騎士団の皆さまに出会すなんて……」
「見てるだけで幸せですわ」
「ああん、レオナード様の色気がこんなところまで……」
「一度でいいからランハート様に抱かれてみたいわ」
「ルーカス様ったら、今日も無表情なのね。笑ってるところが見てみたいわ」
皇帝陛下の名のもとに、国のために闘う誇り高き騎士団。
その団員が数名、この近辺の見回りを行っていたらしい。
