「ごめんね、エマ」
きっとエマにも嫌な思いをさせた。
小さな声で謝ると、エマはにっこりと綺麗な微笑みを作った。
そして親指でぐっと後ろを指差すと、笑顔を作ったまま目をかっぴらいた。
「ちょっと行ってきていいかしら?」
……エマのよくないところだ。
アメリアのことになると、誰彼構わず喧嘩を売ってしまう。
駄目よ、と言い聞かせて抑え込んでも、一言言ってやらないとエマの気は収まらないらしい。
「アマンダも止めて」
「いいえ、お嬢様。私もエマ様に加勢します」
「振りかざした拳は途中で降ろせないのよ」
「ええ、この日のために私は鍛えてきました」
私ひとりじゃ止められない。
そう思ってアマンダに助けを求めるも、彼女も溺愛するお嬢様が小馬鹿にされているのが許せないらしく、瞳を怒りに染めていた。
エマに加勢する気満々だ。
アメリアを溺愛するオタクふたりは、少々愛が過激になりがちである。
