イケボ歌い手がグイグイ来る

「うん、わかった

ナコさん待っててね。君から逃げ道……、──────」



逃げた。

全速力で



教室まで止まることなく走った




「はぁっ……はぁっ……」



「わこちゃん大丈夫~!?すごいつかれてる……

走ってきたの?」



くるみが駆け寄ってきてくれてほっとする。


肩で息をしながら、混乱した頭を整理しようと試みる。