「そのイラスト…………もしかして、ナコさん?」 ハスキーな声が耳元で聞こえる。 静かで薄暗い本に囲まれた部屋に二人きり。 わたしの手元の画面を覗き込んで、目を丸くする男の子に私は絶句していた。 昼休み。 だれもいない図書館で、いつものように一人で作業をしていた。 なにも変わったところはなかったはずなのに 今日は、男の子が一人、紛れ込んできた。 そして、 わたしのHNを、 しっていた。