「迷い道」

知らない場所へ歩いていく
に似ている今の感覚をどうぞ

何となく友達同士で来ていた
ハイキングコースの途中
挫折の許されない帰り道

もこもこと溢れる霧が不安を後押しして
皮膚に張り付く冷たい感情と
諦めに近い休憩場所探し

山の天気は変わりやすいので
要注意ですしか書かれていない
参考書の頼りなさ
訳のない責任の押し付け合いは無かった

意地でも進みたい人
安全を優先して休みたい人
隠しきれないらしさが行く先を散らした

漫画やアニメの様な奇跡は起こらないこと
今のこの瞬間だけは否定し続け
不幸中の幸いを探していた

看板に書かれた休憩所に現実味のない
言葉を吐いて安心感を演出していた

霧さえなければ

流石に黙ったそんなんではまた
知らない場所へ引き戻されるだけだよ

ひと休みしてから行きませんか

流石に黙った
寒さではない震えが作り笑顔を否定する

「後から感情」

いつまでも変わらないでいてねと
言われている人が羨ましい

時代に合わせて変わり続ける価値観と
周りの人に合わせて歩幅も調整中

終わりのない同期作業にたまに嫌になる

人は人だろって励ましの言葉を聞きながら
友情ってこういうものなんだと
右斜め後ろを見ながら少し首筋が痛む

狸寝入りでやり過ごした君の彼女との通話に
逆の立場だったらと思いを馳せる

急に隣りにいる女の子を意識する日は
逆に変なふうに思われて
何やっているんだかよく分からない日々
夜の星が綺麗だな
横向くといつもの君が真剣な顔で星を眺めて
何時までも君は変わらないでと
心の中で願った