「定期的に集まれ」


鬱陶しい雑学を聞き流しながら終わる
開き直りの維持はり合戦

少しの不満が交差する十字路に
何時もよりも遅いランプが魅せる

昔はお前とかアイツって呼び合ってた仲
懐かしく思うよ

うん十年振りの再会でまだまだやってる君の癖

変わらぬ物にも魅力を感じながら爆音
揺れ動くマフラーと運命ってやつを覗いた

年季の入った鉄錆の一番美味しい部分だけを
褒めさせて他のヒビ割れを無視させた

よう夕日
上司の口癖が出てしまう時に
くすっと笑ってくれる
予定調和の漫談をしながら
何時までも変わらない物が新しい情報を嫌う

これだよなやっぱり七夕物語に隠れて
あいつらがまたいちゃつく

夜の呼ぶ声に冷え切った情けないエンジンルーム

でっけえ貨物船が結ぶ拠点と
うちらが結ぶ陸の拠点を比べながら
いつかはって夜の風がさらう温もり

旦那に無理言って買ってもらった新しいやつは
また今度会うときにビックリさせてやるんだ

朝日が見える前に解散

毎度の掛け声を言いながら
言ってやるんだ

次は見ていろ

今日はたまたま旦那が忙しくて来れなかっただけ


着信2件

メッセージあり

左のポッケを揺らした温もりが朝日を昇らせる

ポールボジションは何時だって私だかんな



「夜景の見える場所へ」

一人きりの人生なんてまっぴらだと
趣味を極めて集いを覗いた

過去最大の何だろう
千切れた新聞に想像力を掻き立てる

地面にめり込んでしまった
遠い過去の日付はたった一つの約束

何時だってこの瞬間を忘れないようにするため

今日だって日々のダイヤルは進み続けて
また川のせせらぎに聞きに行こう

人混みの通過待ち
横断歩道で優先順位の低い私達は
何度も赤信号に話題を探した

お気に入りの景色が君の手を熱くさせて
言わなくても分かる初めての恋愛教室の
大変良くできました

先生が居るならば褒めてくれるよな

流行りに敏感でありたいけれど
二人の道はゆっくり行きたい
個性で勝負している恋の始まり

頭の中で考えた定型文を君に投げかけて
誤魔化しながら笑ってくれた

失敗を失敗って言ってくれたり
言わなかったりと君吐く白い息と
ぼやける笑顔にどういう仕草で対応すれば

取り敢えず中に入ろっか

そうだな僕もそう思うよ

寒さのせいで悴んだ心が広がっていく
同級生に見られないようにまた道を考えて

卒業なんてしないって言い過ぎかな

何からだろうね

僕も真似して微笑んでみせた


「夏の夕日〜青春の1話目〜」


お疲れっしたー 泣く泣く砂がなく
いつも通りの完璧なルーティンでも駄目
涙ではなく僕らの甘さを砂に落とす

いつも通りの練習
汗の匂いと使い慣れたグローブ

ひたすらにマウンドに立ち尽くした7回の表
痛烈な球がバッターの勢いを超えていく

打たれたままの気持ちで震える奇跡
唇に温度を感じなくなりました

監督の顔はどうにも確かめられず
サインだけを信じてる

相棒の安心した顔と堂々とした振る舞いが
逆にマウンドの土を耕す

顔に流れるのは涙か汗か伸るか反るかの
勝負球を要求してくる

逃げるようなフォークにバッターは見切る2球目
投げる勇気よりも相手の勢いが勝ってる
振り返るとリードを決めるランナー
守備が笑顔でグローブを下げていた

3球目は際どいストレート
相手は見てきたストライク

独り言が頭を埋め尽くして勝手に打たれる
イメージが先行した

4球目
右手をすり抜けたライナー
その時に決まったんだって

マネージャーさんが僕に声を掛けた
急にまた泣きたくなる
スパイクの音が何時もよりも大きく聞こえた
帰り道の情け

まだまだ指が震える
緊張感を伴った恐怖心に
何度立ってもマウンドって怖いなって言って
監督の雷をしっかりとキャッチした