「佇むものへ〜一歩手前〜」

境界線を越えるもの

物心が付いてからというもの
マスクをする日々が続いている

皆しているから自然のことだと思うんだ

時代が変わりつつ僕だって成長する

教科書の文言を悪戯で格好良く書き換えた

歴史に名前を残す人になりたい
そんな気持ちにさせてくれる
世の中のキャッチーなフレーズにも
クールに笑ったみせた

譲り合いが結局は何も生み出さずに
僕だけの不満が溜まっていく

楽しいことは有るんだけれど
兄貴達の見透かしたような視線が
まだまだ何だと教えてくれる

理由の分からない毎日ながら
趣味とその他の時間で消化する感情

やろうと思えばできるけれど
あなたにはまだ早いよ

この言葉が今はライバル

丁度よいことをしてもどうせ同じ事を言われるならば
今はしょうがないな

この努力をし続けた限界点で佇もうよ
時間ではなく人を待つ僕でありたい


「君の心ふわり」

明日は天気になるようにと仕事の街
スクリーンに映し出される顔不安そう

折角の休みが重なったんだもん
それだけでなんか記念日だよね

意味の分からない言葉で思わず笑って
今まで張り詰めていた気持ち溶かされて
このまま茂みの奥から秘密の扉へ逃げ込むよ

出会いこそ同級生だけど疎遠
今は時間の関係で付き添えん

秋も終わりかけお揃いのマフラー
僕のだけ下手っぴな刺繍跡

また下らない喧嘩ネタを道端で見つけてきては
君が知っているかの今の時代クエッション

予約していた店員さんが焦ると
何故か僕も釣られて焦りだす

ポケットからふわりお揃いの香り
その瞬間に君の予約番号を見せられて

思わず綻ぶ結婚前の出来事
不確定予想を可能にする二人だけの扉
次の鍵はこれだよ



「負けても明日」

脱ぎ捨てられたユニホームに
ぐったり疲れを感じる

トドメを食らったようなサヨナラに
誰も口を開こうともせずに

誰のせいにもできず
忘れてまた明日やり返す

ファンの涙を見ただろう
全力でやってこれだったら
胸を張った負け戦

黒星の後の白星みたいな
やられたあとに勝つのは情けないけれど
俺たちのファンが黙っちゃいないんだよ

ファール線の当たりにどよめいたり
スタンドが揺れていたりするんだけれども

僕の好きなキャッチーミットに吸い込まれる
そんな軌道を見つめている

負けたって僕は泣かないよ
明日こそは勝って出直せよ
一人のファンのため息を力に変えて

試合の後の球場は殺風景で捨てられたゴミと
誰にも当たらない風だけが吹き続け

この日の決着を物語っている

また明日
決意のお日様が登ったら
再会しようか

それまではこの勝負はお預けだよ
負けた僕のチームだって強がって

サヨナラ負けの旗を降っていた



「だからさよなら〜Limited Stamp〜」

影踏み遊びが懐かしさを誘い
子供時代を思い出させる

シルエットが伸びていく夕日に
時間が止まればいいなと
そう言い聞かせた絵本の読み聞かせ

泣かされて帰ってきた我が子には
どんな言葉が有るんだろうか
ボロボロになってしまった
人生の教科書の代わりを頼んでいた

そんな我が子にはこれからの青春を任せたよ
僕達だって今からなんだってできるんだから

だからさよなら 何時もの影
伸びていく身長に太陽でさえも祝福を上げた

だからさよなら 思いで作ろ
思い思いの夢描こう

数年ぶりに開く新しい匂いのテキストに
こんなに難しい物を学んでいたのかと
先生みたいな視線の僕達がいた

内容が変わっていたり文字の配列が変わったり
突っ込みたい気持ちを抑えながら

まだまだ慣れないけれど秘密の特訓
我が子も必死な顔をしながらいつも

僕たちの前では強がってみせた

何かあったら伝えてね

だからさよなら この場所の記憶
始まりながら終わっていく日々よ

季節が変われば気持ちも変わってしまう
そんな子供ながらに持ち合わせた好奇心

似ているところや似てないところも合って
思わず叱ってみせると
やりすぎよパパなんて僕まで怒られるんだよ

だからかな最近長く続くドラマばかり見ては
僕たちと同じものを見て安心感で毎日満たしていくのは

何時もの場所ってやつを家族に見せながら
この週末の思い出こそが究極の足跡

君だけが輝きを見せてよ
いつかお前の昔話を聞いてやろうか

リクエストありがとうございました(⁠。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。⁠)⁠